元野村証券の証券マンだった著者が仕事に対する考え方や取り組み方を綴っている。全体を通して人間関係を大切にすることが重要だということを主張しており、また仕事の厳しさも教えてくれている。
第1章「就業時間は、プレー時間」
著者が野村証券に就いて間もない頃のことから始まり、いかにして1日に40枚集めたのかや仙台一の高額納税者である共呉服の販売会社社長から1億円もの前金を受け取ることができたかについて書かれている。特に印象に残った言葉は、「就業時間はプレー時間。昼飯を休んでゆっくり食べているやつは試合中に休むのと一緒だ」という言葉であり、熱意をもってやればできることを根気強くやり続けることが必要であると述べている。また、「自分のためではなく相手のために服を着る。常に完璧な服装でいつも戦闘態勢でいるべきだ」という言葉も印象的だった。
第2章「名刺1枚には、1000億円の価値がある」
名刺の大切さを強く述べている。名刺をコピーして日付ごとに管理する。そうして知り合った人との関係は切れないよう年賀状を送る、記念日には必ず花を贈る。そうして一生ものの人間関係が続く人持ちになれれば、お互いに助け合える人が増え、そしてまた相手にかけた情けは回り回って結局自分に帰ってくるのである。
第3章「リスクマネジメントよりラックマネジメント」
リスクをマネジメントするのと同様に、運をマネジメントすることも大切であると述べている。そして、運とは人がもたらすものであり、運のいい人と一緒にいることで自分にもいい運がやってくる。ここでいう運のいい人とは、愚痴や文句ばかりいう後ろ向きな人ではなく、前向きにチャンスをしっかりつかんで、周りの人に支えられながら進んでいける人のことである。そして自分がそんな人になるためにも、他人の愚痴を言い合うような場所にはお酒の席でも行かない、つらいときは誰かに愚痴をぶつける前に一人の時間を作ってぼーっと空でも眺める、提示された目標に「なぜ?」と訪ねるのはやめて「どのようにして実現させるか?」に思考を切り替えるといったことが述べられている。また、細かいことをきちっとできる人間は大きな仕事もでき、これからも成長していく人であるとも述べている。特に印象に残った言葉は、「雨は自分にだけ降っているのか?しんどいのはみんな同じであり、一人だけ運がいいように見えるやつは一人で努力をしている。そういうやつだけが運のいいときも悪いときも進んでいく」である。
第4章「よく遊び、よく働け」
お祝い事には盛大にお金を使った方が良いと述べている。というのも、交際費は10年後に何倍にもなって戻ってくるという考えがあるからである。人より高い給料というのはその分交際費として使えという意味であり、それは未来への投資であるのだ。
第5章「一生懸命やれば、応援団がついてくる」
著者の失敗体験をもとに、嫌なことから逃げないことの重要性を述べている。著者は顧客に大損をさせてしまったとき、逃げずに誤り誠実を尽くした。その結果、顧客に損を取り返させることができたのである。また、「無茶」と「無理」は違うことであり、「無茶」はするな、でも「無理」はしろと述べている。「無理」をしてでも仕事をなすという気持ちが大事なのである。ここでは、「出資してくれる人を10人集められるか?10人も信用してくれる人がいないのであれば出資はできない。」という言葉が印象に残った。
第6章「成功するための秘訣」
成功するための秘訣として上げられているのは、リスクを負うこと、思いが強くあること、計画は99%成功するよう綿密に立て、さらにその上でうまく行かなければ柔軟に変更すること、家族を大切にすることである。「つねに夢を持ち、変わらぬビジョンを語り続けていなければいけない。たとえ周りの人が去り、業績が思うように伸びなかったとしても、そこで夢までも挫折させてはいけないのです。」、「自分がいかに人に支えられ、助けられて生きてきたかということです。自分のビジネスも、すべて人とのよき出会いによって成立してきた。人との出会いこそが私を支え、つらいときも乗り越えることができました。」という言葉が特に印象に残った。
全体的に人間関係の大切さを再認識させられた。というのも、著者は証券マンであり、人間関係が仕事の成果に大きく関わる(というかもはやそれがすべてなのか?)ので非常に説得力があったからだ。また、初めにかいたように社会の厳しさを教えられた。著者は厳しいノルマもこなし、魚の餌にもされかけながら、強い意志を持って仕事を遂行していった。自分も体力と強い精神力を持たねば。
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