第1章「思考回路を入れ替えよう」
経営コンサルタントである筆者が、論理思考の重要性を筆者の経験と合わせて述べている。筆者曰く、重要なことは分析から十分な仮説を得るだけではだめで、その仮説を自分の足で実際に見て回ることで検証し、結論にしなければならない。
第2章「論理が人を動かす」
本章では、初めに筆者の経験をもとにプレゼンテーションにおいて、いかに聴衆に自分の結論を納得させるかについて書かれている。まず一つのプレゼンに定言をいくつも入れるよりも1つにした方が相手を説得しやすいと述べている。それはやるべきことが1つの方が聞く人の気持ちが動きやすいからだ。また、定言には事実の裏付けが不可欠であり、逆に事実による裏付けがきちんとされていれば相手も納得する。そして、もっとも効果的なプレゼンの構成は、
・まず初めに全体の結論
・業界の動向
・競合他社の動き
・当社の状況分析
・改善機会のための条件
・解決の道
・提言
・実行計画
であると述べている。
後半では、郵政民営化を題材にして、その是非を論理的に検証している。
第3章「本質を見抜くプロセス」
前半ではいくつかの例をもとに、物事の本質を見抜くプロセスを紹介している。ここでは企業売買の際、実際にその企業にはどれ程の価値があるのかや、ジャーナリストが事実を見たり聞いたりしたまま記述していて自ら仮説、検証を行っていないということ(あくまで筆者の記述)、銀行の統合に関する考察が述べられている。後半では、日本企業への提言が述べられている。
第4章「非線形思考のすすめ」
本章では、科学的アプローチと論理的思考の関連性を述べている。何事にも疑問を持ち追求していく姿勢が必要である。そして今の経済は原因が同じであっても結果が同じであるとは限らない複雑形であり、非線形思考をもって様々な方面から疑問をぶつけ考えていくことが必要である。勉強も同じで、何でも自分で疑問をもって考えていく必要があり、答えを与えられ、それを何も考えずひたすら覚え、テストが終わったら忘れてしまうような勉強は何の役にも立たない。
第5章「アイデア量産の方程式」
筆者の考えでは、新しい発想とはひらめき ではなくなぜ?と疑問を持つところから得られる。なぜ?と疑問に感じることを掘り下げて考え、仮説を立てて、それを実際に検証することで新しい発想を得るのだ。
第6章「五年先のビジネスを読み解く」
本章では、初めに土地の値段の下落が推測できなかった人々を例に、当たり前と感じていたり、マスコミや政府が言っているからといって、それらを事実として解釈してしまうことの愚かさを述べ、何事にも疑問をもつことの大切さを述べている。後半ではあるものに関する未来を見通す方法として、それが持つ機能を分解し、それらが将来的にどうなっていくのかを見通すという方法を紹介している。ここでは携帯電話の未来が考察されており、携帯電話の持つパソコンとしての機能や電子財布としての機能をそれぞれ考察している。また、成功のパターンについても述べており、筆者曰く、実際に成功したものごとには、
・事業領域の定義が明確にされている
あれもこれもではなく、必然的に向かっていく一つの方向に特化するということ
・現状の分析から将来の方向を推察し、因果関係について簡潔な論旨の仮説が立てられている
論理的に推論を得るのであって、ただのアイデアとは違う
・自分のとるべき方向についていくつか可能な選択肢があっても、どれか一つに集中する
いくつもある可能な選択肢の中でも、どれがもっとも成功の可能性が高いのかを分析し、優先順位をつける
・基本の仮定を忘れずに、状況がすべて変化した場合を除いて原則から外れない
状況が変化したときに、前提としていた状況が大きく変わらない限り、最初に設定した基本仮定を忘れないことが肝心
第7章「開拓者の思考」
インターネットなどの新しい技術が発明されたことで、様々な事業が新しく生み出され、既存のものを淘汰していっている。この変化によってもたらされた新しい時代はまだ期間が短く、専門家と呼ばれる人がいない。そのため、新技術を取り込んだ新しい事業といった発想パターンが今ほど有効な時代はないといえる。そしてそういったチャンスを得ることができるのは、自分にはまだ経験がないというときにそこを避けて通るのではなく、「とりあえず入ってみよう。何かあるかもしれない。」と思える人である。そして自分の武器である頭脳を常日頃から磨き訓練しておき、誰と会うときでも真剣勝負のつもりでベストを尽くせることが必要なのである。
考察:
本書は、以前に読んだ大前研一氏の著書「下克上の時代を生き抜く即戦力の磨き方」の執筆以前に書かれたものだったため、前回読んだものの中で紹介されていたことがまだ簡単にではあるが本書にも出てきていて少し面白かった。本書は方法論の紹介が少なく(もちろん随所にあったがそれよりも)、どちらかというと実際の例をもとにして大前氏が考察するという部分が多く、自分の考え方の参考になった。大前氏のストイックな姿勢をまじまじと見せつけられ、若者である自分が普段いかに何も考えていないのかということを思い知らされた一冊だった。
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